「お互いの素顔が見れない3年間でした」

子どもたちの卒業式で、卒業生代表の言葉が胸に染みました。

先日中学校を卒業した双子の子どもたちは、2020年4月入学ですが緊急事態宣言下で入学式は中止、新学期は一体いつから始まるのか不安な毎日を過ごし、6月から恐るおそる分散登校で中学校生活がスタートしました。

マスクをしてお互いの素顔が見えにくい中、部活は制限され、課外学習・文化祭・体育祭など人が集まる行事という行事はことごとく中止となりました。

楽しいはずの給食も「黙食」となり、友達と仲良くなるどころか「なるべく距離を取りましょう」という、青春時代の楽しい想い出になりそうなことは制限され続けました。

私たち大人も生き残るための変化や適応に大変でしたが、同時に子どもたちにとっても、部活や委員会を頑張っても発揮できる場所がないという、行き場のない悔しさやもどかしさ、時には怒りすらあったと思うのです。

振返ってみると「なぜ私たちが?」という泣きたくなる気持ちになった時もありましたが、活動が制限された中でも何ができるのかを少しずつ考えるようになりました。

楽しみにしていた課外学習は中止になってしまったけれど、コロナの中だからこそ生み出せた企画やアイデアを形にできました。

10年・20年経っても思い出せるような学生時代の思い出が「感染予防のため」という一言で制限されてきた中、このようにプラスに捉えて前に進んでいた子どもたちは本当に頑張ったと思います。

涙が止まりませんでした。

コロナが私たちを成長させてくれたことは「諦めない気持ち」と「0から1を考える力」です。この力を糧にして、それぞれの道を進んでいきます。

コロナ渦の子どもたちは、特に気持ちが弱い・脆いという意見を聞きます。確かにそのような一面もあるかもしれませんが、一方で制限され続けた中でも前に進もうとして頑張ってきた世代だという捉え方も忘れないようにしたいと思うのです。

2007年の5月、双子の出産はリスクがある理由で、千葉の海浜病院に転院。帝王切開で同時に産まれて二人はいつも一緒に過ごしてきました。幼稚園からすっと同じ環境で同じ景色を見てきた子どもたちも、これからは二人それぞれ道で新しいチャレンジが始まります。

親子でも数えきれない程ぶつかりトラブルだらけででした。息子と娘それぞれ自分の意見と価値観を持っているので対応も手探り。出張中のホテルから深夜に電話で話し合ったこともあり、仕事で家を空けることも多いですが親族が総出で私たちの育児を応援してくれました。

私の作る料理を「みそ汁の味が薄い」とか「(おかずが)茶色ばっかりだね」とか言いながらも、残さず食べてくれる二人がいるから、不慣れな料理や買い物も頑張ることができました。

大きなケガや病気なく過ごしてくれ、こうして卒業証書をいただくことができたのも、学校の先生方に見守られ、地域の方に協力をいただき、それぞれ頑張って成長してくれたおかげです。

相談に乗って下さった皆様、そして関わって下さった皆さまには心から感謝の気持ちで一杯です。どうもありがとうございます。

そして、頑張った息子と娘へ
「卒業おめでとう」